空き家の売却は仲介と買取どちらがいい?費用・期間・手間を比較

空き家の売却 仲介と買取 どちらがいい?費用・期間・手間を比較 暮らし・住まい

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先に結論と売り方の考え方

使わなくなった実家や、住み替えのあとに残った家。空き家を持っていると、「売るならどんな方法がよいのか」「仲介と買取のどちらが得なのか」と迷います。結論を先に言うと、どちらが良いかは、何を優先するかで決まります。

結論

価格をできるだけ高くしたいなら仲介、手間と時間を減らして早く手放したいなら買取が向いています。買取は、仲介の相場より価格が下がるのが一般的ですが、仲介手数料や片付けの負担、売却後の責任を軽くできる場合があります。手元に残る金額と期間の両方で比べて決めましょう。

手間と費用が少ない売り方の方向性

手間と費用をできるだけ減らしたい場合、まず考えたいのは、今の状態のまま売る方法です。片付けやリフォーム、解体をしなければ、その分の費用と時間がかかりません。

買取業者に売る方法なら、室内に荷物が残ったままでも引き取ってもらえることがあります。仲介で売る場合も、古い家を残したまま、土地として売り出す方法があります。どちらを選ぶかで、手元に残る金額と、かかる期間が変わります。

買取と仲介を選ぶ判断の軸

買取と仲介は、次の三つの軸で選びます。

判断の軸仲介が向く場合買取が向く場合
価格少しでも高く売りたい多少下がっても手放したい
期間時間をかけられる早く現金化したい
手間内見の対応や交渉ができる手間を減らしたい

迷うときは、期限があるかどうかを基準にしてください。固定資産税や管理の負担が重い、遠方で通えないなど、早く手放す理由が強いほど、買取の価値が上がります。

考え方を、順番にたどると次のようになります。

  1. 売却の期限があるか。ある場合は、買取を有力な選択肢にする
  2. 期限がなければ、まず仲介で売れる見込みを、複数の会社の査定で確かめる
  3. 仲介で売れそうなら、価格を重視して仲介で進める
  4. 売れそうにない、または期限が迫ってきたら、買取に切り替える

最初から一つに決めず、仲介と買取の査定を並べて比べると、納得して選べます。

空き家を売るとき、期限の有無や、仲介で売れそうかによって、買取と仲介のどちらを選ぶかを示したフローチャート

査定を頼む前に確認したい点

査定を頼む前に、次の点を確認しておきましょう。

  • 名義が現在の所有者になっているか。相続した場合は、相続登記が済んでいるか
  • 住宅ローンや抵当権が残っていないか
  • 共有者がいる場合は、全員の同意が取れる見込みか
  • 売却の目的が明確か。情報収集だけの相談ではなく、売る意思があるか

売却する意思があることが、買取業者に相談する前提になります。意思が固まっていない段階では、まず相場を調べるところから始めましょう。

空き家の売却方法の選択肢と特徴

空き家の売却方法は、大きく分けて四つあります。それぞれの特徴を知っておくと、自分に合う方法を選びやすくなります。

方法概要向く人
そのまま売却建物を残したまま、古家付きの土地として売る解体費用をかけたくない人
更地にして売却建物を解体して、土地として売る土地として売りやすくしたい人
買取業者に売却業者に直接買い取ってもらう早く、手間なく手放したい人
仲介で売却不動産会社に買い手を探してもらう価格を重視し、時間をかけられる人

そのまま売却する場合の特徴

建物を残したまま、古家付きの土地として売り出す方法です。解体の費用がかからず、買主が自分でリフォームや建て替えを選べる点が利点です。

一方で、建物の傷みが大きいと、買主が敬遠することもあります。建物の価値はほとんどつかず、土地の価値が中心になるケースが多くなります。

更地にして売却する場合の特徴

建物を解体して、更地にしてから売る方法です。土地が見やすく、買主が建て替えの計画を立てやすいため、買い手が付きやすくなることがあります。

ただし、解体には費用がかかります。また、建物を解体すると、土地にかかる固定資産税の軽減が外れる場合があります。解体するかどうかは、費用と税の負担を合わせて検討しましょう。

古家付きで売る場合と、更地にして売る場合を、並べて比べます。

観点古家付きで売る更地にして売る
売主の費用解体費用がかからない解体費用がかかる
買主の選択建物を使うか、壊すかを選べるすぐに建て替えの計画を立てられる
売れやすさ建物の状態によって差が出る土地として見やすく、売れやすいことがある
税の負担建物があるため、土地の軽減が続く解体後は軽減が外れる場合がある
向く場合建物に使い道がある、費用を抑えたい建物の傷みが大きい、早く土地として売りたい
古家付きで売る場合と、更地にして売る場合を、売主の費用、買主の選択、税の負担の三つの観点で比べた表

買取業者に売却する場合の特徴

買取業者に、直接買い取ってもらう方法です。買主を探す手間がなく、条件が合えば短期間で売却が完了します。室内に荷物が残っていても、そのまま引き取る業者もあります。

引き換えに、買取価格は、仲介の相場より下がるのが一般的です。業者が、買い取ったあとの再販売の費用と利益を見込んで価格を決めるためです。

仲介で買い手を探す場合の特徴

不動産会社に仲介を依頼し、一般の買主を探してもらう方法です。市場の評価に近い価格で売れる可能性があり、価格を重視する人に向いています。

買い手が見つかるまでの期間は読みにくく、内見への対応や、価格の交渉も必要です。売れるまでの間、固定資産税や管理の負担が続く点にも注意が必要です。

仲介と買取を同じ基準で比べる

仲介と買取を、同じ四つの基準で並べて比べます。

売却価格の違いと目安

価格は、仲介のほうが高くなるのが一般的です。買取価格は、仲介の相場の7割から8割程度と言われることがありますが、これは目安にすぎません。空き家の状態、立地、権利関係によって、大きく変わります。

だからこそ、買取価格を、仲介の想定価格と並べて見ることが大切です。仲介の想定価格は、複数の不動産会社の査定で確かめられます。

手数料と諸費用の違い

仲介では、売買が成立したときに、仲介手数料を不動産会社へ支払います。上限は、売買価格が400万円を超える場合、売買価格の3%に6万円を足した額に消費税を加えたものです。

買取では、業者が直接買い取るため、仲介手数料がかからないとする会社が多くなっています。ただし、買取価格の中で調整されている可能性があるため、手元に残る金額で比べましょう。

売却までの期間の違い

仲介では、買い手が見つかるまでの期間は、物件や市況によって大きく変わります。数か月かかることも、1年以上かかることもあります。

買取では、査定から契約、決済まで、条件が合えば短期間で完了することがあります。急ぐ場合は、いつまでに現金化したいかを、最初に会社に伝えておきましょう。

段階仲介の場合買取の場合
査定の依頼1社から複数社に依頼1社から複数社に依頼
売却活動広告や内見で買い手を探す期間が必要買い手を探す期間は不要
条件の調整買主との価格や引渡しの交渉業者との金額と条件の調整
契約・決済買主が見つかってから進む条件が合えば早く進む

仲介は、買い手を探す期間が加わるため、全体の期間が長くなりやすい点が違いです。

売却後の責任の違い

売却後に、建物や土地の不具合が見つかった場合、売主が責任を負うことがあります。これを契約不適合責任といいます。個人の買主に売る仲介では、売主が一定の責任を負うのが一般的ですが、責任を免除する特約を付ける場合もあり、内容は契約で決まります。

買取では、売主の責任を免除する内容にする会社が多く、売却後の心配が少なくなります。ただし、責任の範囲は契約書で決まります。契約前に、書面で確認してください。

空き家を放置したときのリスク

空き家を、使わないまま持ち続けると、費用とリスクが積み重なっていきます。売却を考える理由として、最も大きいのが、このリスクです。

固定資産税などの税負担の増え方

空き家を持っている間は、毎年、固定資産税と都市計画税がかかります。建物が古くても、土地の税は続きます。

さらに、管理が行き届かず、周囲に悪影響を及ぼす状態になると、税の負担が増えることがあります。住宅が建っている土地は、固定資産税が軽くなる特例があります。ところが、自治体から改善の勧告を受けると、この特例が外れて、土地の固定資産税が数倍、最大で6倍程度になる場合があります。

管理の手間と維持費用

空き家は、人が住んでいないと、急速に傷みます。換気がされず、湿気がこもり、雨漏りや害虫が発生しやすくなります。

  • 草木の手入れと、敷地の清掃
  • 建物の換気と、郵便物の確認
  • 水道や電気の基本料金などの維持費
  • 火災保険の保険料
  • 遠方の場合は、管理のための交通費

これらの手間と費用が、売却するまで毎年続きます。年間にかかる費用の例を、仮の金額で見てみます。

項目年間の目安(仮の例)補足
固定資産税・都市計画税10万円土地と建物の評価額で変わる
火災保険料2万円空き家向けの保険は割高になることがある
草木の手入れ・清掃5万円業者に頼む場合。自分で行えば減る
水道・電気の基本料金3万円解約すれば抑えられる
遠方への交通費6万円年に数回通う場合
合計約26万円10年で約260万円

金額は、状況によって大きく変わる仮の例です。それでも、売らずに持ち続けるだけで、毎年お金が出ていくことが分かります。売却までの期間が1年延びるごとに、この負担が加わります。

空き家を持ち続けたときの年間の維持費の仮の例。固定資産税、火災保険料、草木の手入れ、水道と電気、交通費の合計が約26万円
金額は仮の例です。状況によって大きく変わります。

特定空家に指定される可能性と影響

倒壊のおそれがあるなど、周囲の安全や衛生に問題がある空き家は、「特定空家」に指定されることがあります。2023年12月に施行された改正の空家法では、特定空家になるおそれがある状態の「管理不全空家」も、対象に加わりました。

自治体から指導や勧告を受けると、先ほどの住宅用地の特例が外れて、固定資産税が上がることがあります。さらに、命令に従わない場合は、罰則や、自治体による解体の対象となる場合もあります。早めに売却や管理の見直しをすることで、こうした事態を避けられます。

買取価格が決まる要素と見方

買取価格は、次の四つの要素で決まります。査定額を見るときの視点として、覚えておきましょう。

立地と周辺の状況

立地は、買取価格に最も大きく影響します。最寄り駅からの距離、周辺の生活環境、土地の需要があるかどうかを、業者は見ています。

需要が高い地域では、買い取ったあとに再販売や賃貸で活用しやすいため、価格が上がりやすくなります。反対に、需要が少ない地域では、価格が下がる傾向があります。

建物の状態と築年数

建物の傷み具合や築年数も、価格を左右します。ただし、古い建物は、価値がほとんどつかないケースも多く、土地の価値が中心になることがあります。

ラクウルの公式サイトでは、築年数は問わないと案内されています。築年数が古い場合でも、金額を確かめておくと、売却を判断する材料になります。

権利関係と境界の状況

権利関係の整理が必要な物件は、買い取ったあとの手間が大きいため、価格が下がる要因になります。共有名義、抵当権が残っている、境界が不明確、といった状況です。

あらかじめ、名義と境界を確認しておくと、査定がスムーズに進み、減額されるリスクも減らせます。査定の前に、次のような準備をしておくと、無用な減額を防げます。

  • 登記簿謄本を取り、名義と抵当権の有無を確認する
  • 境界の杭や、隣地との境の状態を、現地で確かめておく
  • 固定資産税の納税通知書や、建物の図面など、手元の書類をまとめておく
  • 室内の状態を、写真に撮っておく
  • 訳のある点は、隠さずに整理しておく

事情を正直に伝えたほうが、査定のあとで金額が変わるリスクが小さくなります。

市場価格との関係

業者は、近くの取引事例や、再販売の見込み価格を参考にして、買取価格を決めます。そのため、買取価格は、市場の価格と無関係ではありません。

自分でも、不動産情報サイトや、国土交通省の公開する取引価格の情報で、周辺の相場を調べておきましょう。相場を知っていれば、提示された金額の妥当性を判断しやすくなります。

買取の利点と弱みを整理する

買取には、はっきりした利点と、見落としたくない弱みがあります。両方を並べて、判断してください。

現金化までの速さというメリット

買取の最大の利点は、現金化までの速さです。買い手を探す期間が不要で、条件が合えば、短い期間で売却が完了します。ラクウルの公式サイトでも、最短即日で現金化できる場合があると案内されていますが、詳細は個別の相談になります。

あわせて、次のような利点があります。

  • 内見の対応や、価格交渉の手間が少ない
  • 室内の片付けを、業者が引き受ける場合がある
  • 売却を、近所に知られにくい

契約不適合責任の扱いの違い

買取では、売主の契約不適合責任を免除する契約にすることが多く、売却後に責任を問われる心配が少なくなります。ラクウルの公式サイトでも、売却後の責任を負わないと案内されています。

ただし、免除される範囲は契約書で決まります。口頭やサイトの説明だけで判断せず、契約書の責任に関する条項を、署名の前に確認してください。

仲介より価格が下がる点の注意

買取の弱みは、価格が、仲介の相場より下がることです。この点を、はっきり理解したうえで選びましょう。

注意

買取価格が低く見えるのは、買取業者が、再販売の費用と利益、買い取ったあとのリスクを見込んで価格を決めるためです。仲介で想定の価格で売れる保証はありませんが、価格だけを見れば、買取は下がるのが一般的です。

下がった分を、仲介手数料や片付けの費用、売却までの維持費の節約で、どれだけ埋められるかを、手元に残る金額で比べましょう。

片付け・解体は必要かの判断

空き家を売るとき、「片付けや解体をしないと売れないのでは」と心配する人は多くいます。必要かどうかは、売る方法によって変わります。

残置物の扱いと処分の費用

室内に残っている家財を、残置物といいます。仲介で売る場合は、通常、引渡しまでに撤去しておく必要があります。処分の費用は、荷物の量にもよりますが、数十万円になることもあります。

買取では、残置物をそのまま引き取る業者もありますが、会社によって対応は違います。残置物を残したまま売れるかは、問い合わせの段階で必ず確認してください。

老朽化した建物の扱い

建物が古くて傷んでいても、すぐに解体が必要とは限りません。古家付きの土地として売る、買取業者にそのまま売る、といった選択肢があります。

ただし、倒壊の危険があるなど、安全に問題がある場合は、早めの対応が必要です。放置すると、自治体から指導を受けるおそれもあります。

解体するかどうかを決めるタイミング

解体するかどうかは、売り方が決まってから考えるのが安全です。先に解体すると、費用がかかるうえ、土地の固定資産税の軽減が外れる場合があります。

解体の費用は、木造住宅で、1坪あたり3万円から5万円程度が目安とされています。たとえば30坪の木造住宅なら、90万円から150万円程度になります。建物の構造や、道路の幅、周囲の状況によって、費用は変わります。

売る前に解体するか、買主に任せるかで、手元に残る金額が変わるため、複数の会社に相談して、条件を比べましょう。

買取の流れと問い合わせ後の進め方

買取の流れを、問い合わせから引渡しまで、順に見ていきます。

問い合わせと査定の依頼のしかた

ラクウルの公式サイトでは、買取の流れは4段階で案内されています。最初は、サイトからの問い合わせです。

問い合わせのとき、物件の所在地、築年数、面積、現在の状況を伝えると、話が進みます。公式サイトには、都道府県と市区町村、築年数、土地の面積を入力するAI査定も用意されています。これは目安を知るためのものと考え、正式な金額は現地の調査を経て決まると理解しておきましょう。

査定後から契約までの確認点

現地調査と査定が終わると、買取の金額が提示されます。契約の前に、次の点を確認しましょう。

  • 査定額の根拠と、減額になる条件
  • 残置物や解体の費用を、誰が負担するか
  • 手付金や違約金の取り決め
  • 売主の責任の範囲
  • 決済と引渡しの時期

金額と条件に納得してから、契約に進みます。急かされても、書面で確認できるまで契約しないことが大切です。

決済と引渡しの手順

契約の後は、決済と引渡しを行います。決済の日に、代金の受け取りと、物件の引渡し、所有権の移転の手続きが行われます。

決済までに、鍵や、必要書類の準備を済ませておきます。住宅ローンが残っている場合は、完済の手続きも、決済に合わせて進めます。

買取の流れを、問い合わせ、現地調査と査定、契約、決済と引渡しの四つの段階で示した図

状況別の注意点と進め方

空き家を手放す事情は、人によって違います。三つの代表的な状況に分けて、注意点を見ておきましょう。

相続した実家を売る場合の注意

相続した実家を売るときは、まず、名義が正しく変更されているかを確認します。亡くなった人の名義のままでは、売却できません。相続登記を済ませる必要があります。

また、一定の条件を満たすと、相続した空き家を売ったときの税金を軽くする特例があります。主な条件は、被相続人が一人で住んでいた家であること、昭和56年5月31日以前に建築されたこと、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどです。売却の金額や、買主が解体する場合の扱いなど、細かい条件があり、相続人の人数によっても控除の額が変わります。

条件の詳細は、国土交通省の資料や、国税庁、税務署で確認してください。適用の期間も決まっているため、売却の前に確認しておくことが大切です。

売却の時期には、二つの期限があります。一つは、相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。もう一つは、特例そのものの適用期間で、国土交通省の資料では、2027年12月31日までの譲渡が対象とされています。両方の期限を満たす必要があるため、期限が近づくほど、買い手探しや手続きに使える時間が少なくなります。早めに動き始めることが大切です。

相続人が3人以上の場合は、2024年1月以降の譲渡で、控除の額が1人あたり2,000万円になるなど、人数による違いもあります。最新の条件は、必ず国税庁や税務署で確認してください。

遠方にある家を売る場合の進め方

遠方にある家は、管理や、内見への対応が大きな負担になります。現地に通う回数を減らすために、次のような工夫ができます。

  • 問い合わせや契約を、電話やメール、郵送で進められる会社を選ぶ
  • 鍵の預かりや、現地の立ち会いを、会社に任せられるか確認する
  • 査定は、まず簡易の方法で金額の目安を知る

全国対応の買取会社であれば、遠方の物件でも相談できます。対応エリアは、問い合わせの前に確認しておきましょう。

住み替え後の空き家を売る場合

住み替えで新しい住まいに移ったあとに、元の家が空き家として残る場合があります。この場合は、新しい住まいの購入の資金計画と合わせて、売却のスケジュールを考えます。

売却が長引くと、二重の住居費がかかり続けます。買取なら、売却の時期が読みやすいため、資金計画を立てやすくなります。仲介を選ぶ場合は、売れるまでの期間と、その間の費用を、あらかじめ見込んでおきましょう。

買取業者の選び方と見極めの点

買取業者は、会社によって、条件も対応も違います。選ぶときの視点を三つに分けて整理します。

査定額の根拠の聞き方

査定額が出たら、次のような質問で根拠を確かめます。

質問見たいこと
この金額は、どのように決めましたか根拠を具体的に示せるか
減額になっている点はどこですか理由を説明できるか
この金額はいつまで有効ですか有効期限と条件の明示
現地を見たあとで、金額が変わることはありますか変わる条件を事前に説明できるか

答えが曖昧なまま、早く決めるよう急かす会社は、避けたほうが安全です。

たとえば、3社から次のような買取の査定を受けたとします。金額は仮の例です。

会社査定額根拠の説明見方
A社1,200万円高い理由の説明がなく、現地調査のあとで減額の可能性があると言われた契約の直前に下がるおそれがある
B社1,050万円周辺の取引事例と、再販売の見込みを示した。減額の条件も説明された根拠が具体的で、金額が読みやすい
C社900万円残置物の処分費用を差し引いた金額だと説明された費用の内訳が分かれば、他社と比べやすい

最も高いA社を選ぶのが得とは限りません。金額の確かさと、条件の分かりやすさで選ぶと、契約後の食い違いを防げます。

空き家の買取実績の見方

実績は、会社の信頼性を見る材料になります。年間の買取件数や、取り扱ってきた物件の種類が公開されているかを確認しましょう。

実績の数字は、会社自身の公表です。件数だけで判断せず、自分の物件に近い種類の実績があるか、宅地建物取引業の免許番号が公開されているかも、合わせて確認してください。

費用の明示と契約内容の確認

費用と契約の内容は、書面で明確に示されているかが重要です。次の点を確認してください。

  • 手数料などの費用がかからないと言っている場合、その範囲
  • 買取価格に含まれるものと、含まれないもの
  • 残置物や解体の費用の負担
  • 売主の責任の範囲

「手数料がかからない」といった案内があっても、実際の条件は契約書で決まります。口頭の説明だけで判断せず、書面で確認しましょう。

ラクウルの特徴と買取の対象物件

ここまでの確認の視点をふまえて、買取を行う会社の一つであるラクウルの、公開されている情報を整理します。他の会社を検討する場合も、確認する点は同じです。

対象になる空き家・中古戸建ての条件

ラクウルは、空き家や中古戸建ての買取を行う会社です。公式サイトでは、全国の空き家と中古不動産が対象とされ、築年数は問わないと案内されています。他社に断られた物件も相談できるとしています。

ただし、個別の条件で、買取が難しい場合もあります。対象になるかは、査定を依頼する段階で確認してください。

自社買取の仕組みと特徴

公式サイトによると、ラクウルは、買取を自社で行う仕組みです。仲介会社を通さずに直接買い取るため、仲介手数料などの諸費用がかからないと案内されています。売却後の責任を負わない、という案内もあります。

運営は、株式会社ネクサスプロパティマネジメントで、宅地建物取引業の免許番号も公開されています。年間200件以上の買取実績を示しています。こうした情報は会社自身の案内なので、実際の条件は契約書で確かめてください。

問い合わせから査定までの流れ

流れは、サイトからの問い合わせ、現地調査と査定、契約、買取完了の4段階です。現地調査を含む査定は無料と案内されていますが、一部は対象外とされています。

簡易のAI査定も用意されており、物件の所在地と築年数、土地の面積を入力して、目安を知ることができます。金額に納得してから、契約に進みます。複数の会社と同じ表に並べて、比べたうえで決めてください。

売却後に手元に残る金額の考え方

売却方法を比べるときは、売却価格ではなく、手元に残る金額で考えます。仮の例で確認しましょう。

かかる費用の目安の考え方

次の金額は、考え方を示す仮の例です。仲介の想定価格を1,500万円、買取価格をその7割の1,050万円と仮定し、仲介の場合の残置物の処分費用を30万円としています。

項目仲介で売る場合買取で売る場合
売却価格1,500万円1,050万円
仲介手数料の上限額約56.1万円なし
残置物の処分費用30万円業者が引き取る想定
手元に残る金額約1,413.9万円1,050万円
売却までの期間数か月から1年以上のこともある短期間のこともある

仲介手数料の上限額は、1,500万円の3%に6万円を足した51万円に、消費税10%を加えた額です。この例では、手元に残る金額は仲介のほうが大きくなります。ただし、仲介で想定の価格で売れる保証はありません。売れるまでの固定資産税や管理の費用も、仲介では増えていきます。

ポイント

金額だけでなく、期間と、売れなかったときの負担も合わせて比べると、自分に合う方法が見えてきます。

仲介と買取で、手元に残る金額を仮の例で比べた図。仲介は約1,413.9万円、買取は1,050万円
金額は仮の例です。仲介で想定の価格で売れる保証はありません。

利用できる税金の特例の確認先

売却で利益が出た場合は、譲渡所得にかかる税金の申告が必要になることがあります。相続した空き家には、一定の条件で、利益から最大3,000万円を差し引ける特例があります。

2024年以降は、相続人が3人以上の場合の控除額や、買主が建物を解体する場合の扱いなど、条件が見直されています。適用の期間も決まっているため、最新の情報を、国税庁や税務署、税理士に確認してください。

よくある質問

空き家の売却について、よく寄せられる疑問に答えます。

査定は無料?

買取会社の多くは、査定を無料で行っています。ただし、物件によっては対象外になるなど、条件は会社ごとに違います。依頼する前に、費用がかかるかを確認してください。

売らないとどうなる?

売らずに持ち続けると、固定資産税や管理の費用が、毎年かかります。建物が傷んで、周囲に悪影響が出ると、自治体から指導や勧告を受け、税の軽減が外れることもあります。

すぐに売らなくても構いませんが、使う予定がない場合は、状況が悪くなる前に、売却や管理の方針を決めておくほうが、負担を抑えられます。

ローン残債は?

住宅ローンが残っていても、売却はできます。ただし、売却代金で残りのローンを完済して、抵当権を外す必要があります。売却価格がローンの残りを下回る場合は、不足分を自己資金で補うことになります。

まずは、金融機関に残債を確認し、査定額と比べてください。足りない場合の進め方は、買取会社と金融機関に相談しましょう。

まとめと次の行動

査定を頼む前の確認点

空き家を売るときの、判断の要点を整理します。

  • 価格を重視するなら仲介、手間と時間を減らすなら買取
  • 買取は、仲介の相場より価格が下がるのが一般的
  • 手元に残る金額と、期間の両方で比べる
  • 売却後の責任や費用の負担は、契約書で確認する
  • 名義、相続登記、ローンの残債を、先に確認する

相談の前に準備すること

まず、物件の所在地、築年数、面積、現在の状況を整理してください。次に、名義と、相続登記、住宅ローンの有無を確認します。そのうえで、複数の会社に、同じ情報を伝えて査定を依頼し、手元に残る金額と契約の内容を比べます。

売るかどうか迷うときは、まず相場を知る目的で、相談してみても構いません。急いで決める必要はなく、納得できるまで確認して、自分に合う売り方を選んでください。

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